師走の夕の宮の境内で座りなわとびを手入れする少女

2006年12月11日
周りの集落の産土神(うぶすながみ)を思わせる、町の一角の小さな神社。平日の夕のときにあって、ランドセルを背負った数多の人影、地元の小学校の児童達の影が、その傍を頻りに通り過ぎてゆく。

地元の小さき者達のささやかな遊び場ともなっているのであろう、境内の拝殿の周りを固める砂の広場は、この夕にまた小さき者達の嬌声を湛えて、寒空のもとにたたずんでいた。

少女は境内に自らの自転車を停めて、しばらくの時を遊びに興じる。縄跳びをして、しばし休んで、境内が見下ろす町を見やって。近くをゆき交う人影と同じの、今日の日の学校を終えたばかりのひとときを過ごす女子小学生。延いてランドセルを下ろした少女に違いなきその孤影はしばしを残照のもとに落とし、常世繰り返される時の輪廻のなかに、また夕闇のなかに溶け込んでゆくのだった。


少女|神社|福岡県|紀行道中写真館

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