祭で賑わう節分の宮の腰掛茶屋に幼い姉妹

2007年2月3日
 端々に古い街角の面影を留める、長き悠久の歴史を湛える町。その総鎮守としてこれまた長き歴史と由緒を湛えるその神社は、立春(りっしゅん)を前にした節分(せつぶん)のこの日に、祭に詣でた人影のうちに大層の賑わいを見せていた。

 大きなお多福(-たふく)のお面で飾られた宮の入口。商店街の脇に開かれたその宮口の傍らには、名物の焼餅(やきもち)を売る店がある。焼きたての餡(あん)の香ばしい匂いを立ちのぼらせる小さな腰掛茶屋、ゆきまた帰る人々の影を眺めながらに幼い姉妹は、その傍にある腰掛椅子にふたり、静かに座っていた。

 祭を〆る盛大な豆まきも終わったあとの夕のひととき。ふたりは荷物を脇に置いたまま、行き交う人の姿を見送り、照らす西日を左ほほに受けて、ときおり、微笑みを浮かべるのだった。


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