そこは千年を裕に超える長い歴史を持つ真言宗の古刹の境内、この二月なかばの祝日の午後に数多の参拝者を湛えるは、年に一度のこの日限りの節分の祭の所以であった。
夕の陽光が射し始める時間に、祭は最後の行事へと向かう。