桜の季節の町の公園に子犬を眺めるふたりの幼女

2007年3月29日
 住宅の町の一角にある、地域のいわゆる公民館と似た役割を兼ねる小さな施設、コミュニティセンター。

 桜の花の満ちゆく季節のこの日の午後のその内部では、コミックショー、との銘の打たれたささやかな劇を目玉に据える、この日限りのささやかな規模のイベントが催されていた。

 施設の裏手の小さな公園は、この日のイベントのもうひとつの目玉の場であった―幾種かの生きた動物達が織り成す、青空のもとに形作られた臨時の特設動物園。

 馬、鳥、羊、猿から、豚、カエル、果ては蜘蛛まで。どこかの牧場からやってきたそんな生き物達と、それを見る人戯れる人。

 まだきたばかりの春休み。響き渡って一角を包む数多の明るい声のなかで、ふたり幼女はそこにふたりで、柵のなかにいる子犬の姿を眺めて、遊んで、時にそれぞれ想って、また会い笑うのだった。


幼女|公園|福岡県|紀行道中写真館

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