まさに大祭と呼ぶにふさわしい実に名のある祭(まつり)の最終日。大通りを練り歩いて去りゆくマーチングに舞踊に音楽隊・・・昼の刻から長らく続いた歩行行列も夕のこのとき、日越しの祭とともにいよいよ終わりを迎えようとしていた。 すずろに幼女の立つは歩道で、行列の通り道路の傍。たまゆらの笑みを浮かべながらに、ポカリスウェットのペットボトルの口をまわして、開けて、ちょびっと飲んで、また口をまわして閉じて、にこっ。 賑わいのなかで暮れてゆく街のしらべを合間に風が吹き抜ける。さらりとなびいた髪から香るはそのこころのそらのたまづさのここち結いに、ほのか、幼い少女の色香の薫った季節のうつろいのとき。
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