町の図書館の土曜日の午後。 裸足でうろちょろ、たくさんの本が、いろんなご本が並べてある棚(たな)を前に、小脇に、時に手にとって、幼女は選んでいた。 お手々に足にと幼児に独特の丸みを帯びた、全てがあまりにやわらかな―幼女のちっちゃな影が、静かな館(やかた)の床に映っては、ちっちゃなその声と一緒に動いて、また止まる。取ってめくってみてまた置いて、またまた手に取りめくってみる。 季節は梅雨(つゆ)、水無月(みなづき)も終わり七月に移り変わろうとする日、夏の盛りへとうつろいのとき。 面白そうなものは見つかりましたですか、幼女の夏衣。
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