松風地蔵尊

晴れわたる夏の日にセミの協奏賑やかなりし、2006年8月13日の姿
『まつかぜ』、あるいは『しょうふう』か。額に松風地蔵尊とあるこの地蔵堂は、福岡県福岡市博多区の北寄り、千代(ちよ)という街区の一角の路傍にポツンと存在している。

歴史的に『博多』とされた区域は那珂川(なかがわ)と御笠川(みかさがわ、石堂川とも)に挟まれた部分であるが、その博多の東の外れに位置する呉服町(ごふくまち)から見てちょうど御笠川の対岸、御笠川の右岸に形成されて広がるのが千代の町である。

この地蔵堂がたつのはその千代町の、公営住宅多き四丁目の一角。至近に福岡市立千代中学校、また裏手の壁の向こうにあるのは、その昔この地を長く治めた黒田氏の菩提寺があることで知られる、臨済宗の寺院たる崇福寺(そうふくじ)の境内だ。由来や縁起を示す事物は堂のどこにも見られない。ただ内部に置かれた札において、昭和53年8月の22日に新築あるいは改築された堂であることだけが示されるのみである。


|福岡県福岡市|紀行道中写真館

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