細い車道の脇に並ぶ団地の敷地と歩道との境界。団地の一棟、端の棟。その自転車置場の裏にあたるわずかな空間には緑の雑草が生え、幼い少女が特有に持つ原色の遊具が無造作に転がっていた。 金網によじ登る少女達。そうして並び座った少女達。時折聞こえる旅客機の轟音、あたりを撫でるほのかな秋風。会話に明け暮れる少女達は、その少女の声を、桃色の声をまた一角の街路に伝えてゆく。 今日の日の学校が終わったあとの暇を持て余す女子小学生。・・・そんな様相を見せる少女達は、四人。秋迫りくる夕刻の街にまたその影を映してたたずむのだった。
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