風に肌寒さ残る3月のはじめ。南に向かって寂びれゆく市街を南北に貫く車道の傍を、南に向けてとぼとぼと歩く黒いセーラー服の少女。中学一年から中学二年の雰囲気を漂わせるその風体には、ショルダーバッグ、わずかに茶色の髪、細い脚を覆うはルーズソックス。すれ違う人々の目に映る少女の姿態、制服姿に弱ルーズのソックスは、小学生の私服にルーズとは、あるいは高校生の本格的なそれともどこか違った特異な雰囲気、そんな空気をまとった象として、小学生のそれとも高校生のそれとも一線を画して映えるのでしょう。曇りの空春遠からじ。
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