| 由来を伝える木札 |
| 水の溜まる一角 | 福岡県(ふくおか-)福岡市の西部の一画を占める早良(さわら)区域の南方。現在の街区名にて東入部(ひがしいるべ)とされる場所の6丁目の山麓の雑木林の一角に、菅原道真(すがわらのみちざね)ゆかりの事物と伝わるこの史跡『松ヶ根の井』は存在している。 その場に設けられた木製の立札には次のように書かれている。 『延喜元年(西暦901年)菅原道真公が博多を経て太宰府へ赴かれるときここの水で手を清めて今宮神社(今の老松神社)に参拝されたと伝えられています。松ヶ根の岩より出ずる苔清水...と詠われ昭和の初期ごろまでは飲水や酒造りに使われていました』... | 打ち捨てられた石塔 | ここに触れられているところの老松(おいまつ)神社とは、この場からわずか西方、現在の県道263号を越えたちょうど西の方角にあるそれのことであると考えられる。 東入部というこの区域は、貝原益軒(かいばらえきけん)の編纂による史書『筑前国続風土記(ちくぜんのくにしょくふどき)』に『入部村』として記された場。斯様なる場に密やかに遺った古の歴史の痕跡である。
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