7月末の陽の照る午前。駅を中心に広がる繁華街、そんな街角のとある自転車屋は、親仁さんと女将さんが二人で営む、ささやかな規模の区画の店舗で、その前を通る車道の喧騒をガラス戸の向こうにして静か。売り物として置かれた自転車のひしめく、そんな空間のなかにひとり幼い少女は、なかで番をする女将さんと時折に会話を交わしたりしつつ、外での作業をちらちらと見つつ、暇持て余す、そんな姿を示してそこに静かにいたのでした。小さなお客さんの姿をガラス戸の向こうにして、外には店の親仁さんの姿。自転車を扱うその姿を脇にただただ、お店のなかの涼しい風に包まれて暇に興じる、幼く静かな少女のひととき。
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