山門を入り、納骨殿の建つ左にゆくと、その手前に石の手水(ちょうず)を脇に控える大小3つの石塔がある。 　倶会一処塔(くえいっしょとう)―最も大なる塔にある刻字。 　高さおよそ180cmのこの石塔は、享保年間、享保17年(1732年)にこの地を襲った虫害による大飢饉、その翌年に大流行した疫病、この地を包括する筑前国(ちくぜんのくに)で約10万人にのぼる死者があったと伝わるこれら通称『享保(きょうほ)の大飢饉』の際に、それに伴って生まれた数多の無縁仏(むえんぼとけ)を供養するために建てられたものという。いわゆる供養塔、慰霊碑である。