九州北方、福岡県(ふくおか-)、古都として知られる太宰府市(だざいふ-)の東部に、石坂(いしざか)という地区がある。天神(てんじん)の総本宮として名を馳せる太宰府天満宮(-てんまんぐう)の鎮座の地からわずか南の場所に位置するこの地区は、東方間近に筑紫野市(ちくしの-)との境界を据え、南に高雄山(たかお-)という小山をまた据え見る。 太宰府天満宮とそのゆかりの禅寺『光明寺(こうみょう-)』、西暦2005年の末に開館に至った九州国立博物館。こうした、太宰府天満宮を中心とする観光事物がある場所一帯は、宰府(さいふ)という地区の中央部にあたる。
北の太宰府天満宮の末社の一つというこの祠を、太郎左近社(たろうさこん-)という。
境内 坂道の脇にやや西向きに建てられた、瓦葺(かわらぶき)屋根の木造の社。これとその脇に安置された数体の地蔵が併せて境内を形作る。隣接する雑木林の傍に石造りの燈籠が置かれているが、これが境内事物にあたるものどうかは定かではない。 社には注連縄(しめなわ)が張られ、一見では神社であることを思わせもするが、社の全面ところどころに貼られた『筑紫四国八十八箇所...』という巡拝者が貼ったものと見られる紙の札が、仏堂であることを思わせもする。境内由緒書の記述 社の傍に置かれた案内板には次のような説明がある。
所在は福岡県太宰府市石坂4丁目7番。最寄の電停は西日本鉄道太宰府駅。ほど近くに石穴神社(南方)などがある。 |