市街を包む大いなる熱気は、吹き抜ける風にともなって歩みゆく人々の肌を撫で、それは五月のはじめにありながら、肌に夏日を感じさせもした。 数多の人の波に見守られながら晴れ舞台を歩いたこの一日、歓声のなかで幼い心に何思い、なにを育んだ幼女達よ。あるいはなんにも思わなかったか、それもまたよし、きっとよし。 すずろながらも眺め見る者のその目にちいさな彩をくれた幼女たちは歩みを進めながら、待ち迎える終点のところへと、宵闇の〆(しめ)に向かって盛りを高めてゆく街とともに、さつきのひとときとともに過ぎていった。
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