初夏の街路に自転車を壊しふたりで立往生する幼女

 街路は梅雨(つゆ)の季節の只中にあった。雨は降っていなかった。
初夏の街路に自転車を壊し立往生するふたりの幼女
立往生(たちおうじょう)

初夏の街路に自転車を壊し立往生してふたりで夕迫る路地を去りゆく幼女
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 北のほうに大きな松原(まつばら)を、その向こうに海原のゆらぎを見据える、やや内陸の町。住宅が軒を連ねるところ―住宅街(じゅうたくがい)―のさなかにあって、今宵に向かって落ちてゆく陽を背後に過ぎゆく午後のひととき。

 小川のせせらぎが静かにこだまする路地。

 夏のいでたちをした―今日の日の学びの時間を終えたあとの低学年女子小学生を思わせもしよう―幼女はふたりで、それまで乗ってきた自転車から、その小さな自転車から降りた。

 時はしだいに夕に近づき、あたりは薄暗くなる頃だった。

幼女|福岡県|紀行道中写真館

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