海辺の松林の公園の真夏をひとり歩き駆ける幼女

海辺の松林の公園の真夏をひとり歩き駆ける幼女、砂浜をあがり林に向かう。
海をあがって林のほうに。
 街の岬(みさき)の一角にあって、脇に広がる海原を湛え、その向こうに浮かぶ島々の影を見据える、まさに保養(ほよう)の海辺とともにある公園(こうえん)。

 寄せては返す穏やかな波(なみ)と、生い茂る松(まつ)の林(はやし)を擁するその公園とを背後に、ささやかな砂浜(すなはま)はこの夏真っ盛りの日にささやかな賑わいの声をそこに湛えていた。
海辺の松林の公園の真夏をひとり歩き駆ける幼女、妙なしぐさを見せながら歩く。
とことこ。。。

 時は正午(しょうご)を過ぎたばかりで、燦燦(さんさん)と注ぐ日光(にっこう)を青空に見る午後の頃。

 肌をあらわに砂浜と波のあいだで泳ぎを愉しむ者たち、林の木陰に休眠する者たち、それぞれの避暑(ひしょ)と休養のひとときを過ごす人々・・・。
海辺の松林の公園の真夏をひとり歩き駆ける幼女、林から砂浜にまた向かう。
また砂浜へ、そして波のなかに。

 ゆらぐ潮波のうえをゆき交うヨットに水鳥(みどり)の影。

 脇歩む人の食欲を誘う香りをうちに秘めつつ、そよそよと空にのぼり立つバーベキューの煙。

 ―夏休み。

 そうした日曜日のこの浜に、幼女もその享楽(きょうらく)のひとときを静かに過ごしていた。


幼女|公園||福岡県|紀行道中写真館

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