春日山妙教寺

2007年1月2日
 妙教寺(みょうきょうじ)なるこの小さな寺は、福岡県の内陸に位置する大野城市の内の北部、同市と春日市、そして県都福岡市とが境界を接する「錦町」(にしき-)というところにあって、西日本鉄道の駅から発して北東のほうに向かってつづく商店街のさなか、通称「錦町商店街」のさなかの一角に伽藍を有している。この錦町は、筒井の井戸のある「筒井」(つつい)雑餉隈恵比須神社の鎮座する「雑餉隈」(ざっしょのくま)などの街区と各方角で隣接する、大野城市域内の街区である。
  • 寺名:妙教寺(みょうきょうじ)
  • 山号:春日山(かすがざん)
  • 宗派:日蓮宗
  • 開基:渡辺正道
  • 開山:明治12年(西暦1879年)
 日蓮宗のこの寺の開山はそう古いものではなく、明治12年(1879年)の10月12日、現在の福岡市中央区天神の一部にあたる橋口町というところに今もある勝立寺(しょうりゅうじ)の住職であった渡辺正道氏によって、同宗のうちの宗派の一にあたる「一致派」の説教所として開設されたものであるという。

四十数年を経て老朽破損し見るかげもない茅葺きの荒家となっていたが、大正12年(1923)5月25日上田真誡師が入山し、翌13年に改築を行い本堂四間×二間半、書院八丈、最上堂三間半×五間、境内坪数四百余坪の寺院として落慶した。

この落慶に伴い一時寺号は愛愍結社教会(あいみんけっしゃ-)と称したが、昭和17年(1942)3月30日春日原日蓮教会と改称した。同20年11月に松下前暢上人が教会主管として就任し、翌21年7月25日に春日山妙教寺の寺号承認を受け、28年(1953)1月2日に宗教法人の承認を受けている。

本堂は50年を経過して老朽化したため、日蓮聖人生誕750年記念事業として、昭和49年(1974)7月18日鉄筋二階建の本堂及び庫裡(くり)を落慶し、更に55年には鉄骨三階建檀家信徒会館を、58年には本堂二階にに鉄骨で納骨堂を増築し、63年(1988)には庫裡駐車場併設鉄筋三階建を竣工して全面改築が完了し境内の整備を行っている。”...

 というのは、赤司岩雄というこの地に名のある史家による、その著書『大野城市巡杖記』に見られる、この寺についての記述である。

 “南無妙法蓮華経”(なむみょうほうれんげきょう)―日蓮宗の題目の刻まれた石塔の立つ山門を入ると、右手に何らかの立像石仏、そして昭和57年(1982年)5月の建立という高い石塔がそびえ立ち、先に鉄筋建の本堂、その手前に、

  • 一、我れ日本の柱とならん
  • 一、我れ日本の眼目とならん
  • 一、我れ日本の大船とならん
  •  開目鈔
 との文字の付された、合掌ながらに立つ人物の銅像がそびえ立っている。
  • 歴代住職
  •  松下前暢上人:昭和23年(1948年)12月28日遷化
  •  楠田泰解上人
  •  花田英忠上人:昭和31年(1956年)7月28日就任

所在は福岡県大野城市錦町2丁目1番27号。最寄の鉄道駅は西日本鉄道天神大牟田線春日原駅。近場に、山田観音地蔵堂および宝珠山慶傳寺および山田宝満神社(北方)、妙見白鬚稲荷大明神社(南方)、豊川稲荷九州別院最勝山東慶院(南西)などがある。


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