原町遺跡

2006年10月21日
 福岡県(ふくおか-)の中央部にそのわずかな市域を有する春日市(かすが-)。国指定史跡たる岡本遺跡(おかもと-)を含む須玖(すぐ)・岡本遺跡群、また伯玄社遺跡など、その数膨大なる出土が確認されているこの市の弥生時代の遺跡の一つに数えられるのが、この原町遺跡(はらまち-)である。

 名の由来は所在地名(春日市原町-)であろう。市域の北部、程近くに福岡市博多区との境界を有する地点、役所の合同庁舎や駅などのある市街の一角にあって、航空自衛隊の広大な敷地の脇にその痕跡が残されている。痕跡とは案内板のことで、現在はこれが出土地点とされる歩道の隅にぽつんと置かれるのみである。

昭和44年(1969年)水道管理埋設工事中に路面下約80cm〜1mで銅戈(どうか)48本が発見されました。西方遺跡(ここより西へ1.5km)の銅矛10本と同じように、黒色土中に茎と鋒を交互に並べ、身を立てて埋納された状態で出土。銅戈は全長33.5〜36.5cmで、形は中細と中広があります。刃は鋳造時のままで研磨はされていません。発見されたときはすでに周囲の遺跡や地形的なものがわからない状況だったため、遺跡の全容は明らかではありません。これだけ多数の銅戈が1ヶ所にまとまって発見された例は少なく、西方遺跡や紅葉ヶ丘遺跡(ここより南西へ2km、銅戈27本出土)とともに弥生時代後期(1700〜1900年前)の社会習俗を知るうえで貴重な資料となっています。また、南西方向へ約500mの丘陵上には弥生後期の甕棺墓・銅鋤先・後漢鏡が出土した立石遺跡があります。』...

所在は福岡県春日市原町3丁目1-7。JR春日駅のわずか南西の地点、複合福祉施設『クローバープラザ』の西脇。ほど近くに豊川稲荷九州別院最勝山東慶院妙見白鬚稲荷大明神社などがある。


古跡|福岡県春日市|紀行道中写真館

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