九州、万葉の古都太宰府市(だざいふ-)の内の東方の山麓に広がる一帯は、長きにわたってこの地に鎮座する太宰府天満宮をはじめ、竈門神社(かまど-)を頂に据える宝満山(ほうまん-)への登山口などを擁する地である。 この地の付近において『梅大路』と呼ばれる街道がある。観世音寺や戒壇院、学校院跡などの脇を『政庁通り』として東西に貫き、やがて北に湾曲したうえで天満宮の西を通り、北へ、北へとのびてゆき、やがて宇美町(うみ-)に連なり入ってゆく街道である。 現名、福岡県道35号筑紫野古賀線。 この街道が宇美町に入る直前、すなわち太宰府市域の北の外れにあたる場所は、西に大原山、東に宝満山と、東西を連なる山々に挟まれ、その山麓一帯に数箇の集落を擁している。一帯を北谷(きただに)という。
注視しなければ見落としてしまうであろう場所、車道の脇に広がる雑木林の一角に立つ赤の鳥居。稲荷の鳥居である。その左脇には何らかの石造りの祠がある。 鳥居から続く細道は草木に埋もれた石段の路。雑木林のさなかを奥へと入ってゆく。
所在は福岡県太宰府市大字北谷849番(字只越)。県道35号(福岡県道35号筑紫野古賀線)と県道68号(福岡県道68号福岡太宰府線)との交差地点のわずか南。最寄のバス停留所に西鉄バス『只越』および太宰府市コミュニティバス"まほろば号"の『只越』が、ほど近くに天理教春吉分教会などがある。 |