『大野城市内に居住する老人の教養の向上,レクリエーシヨン及び相互親睦等を図り,もつて老人の心身の健康の増進に寄与するため,老人憩の家を設置する。』... ―大野城市老人憩の家の設置及び管理に関する条例 福岡県(ふくおか-)、大野城市(おおのじょう-)。その内の北方、この地を南北に貫く"筑紫通り(ちくし-)"の西脇にあって、福岡市(ふくおか-)の博多区(はかた-)との境界を北の間近に据える、雑餉隈町(ざっしょのくままち)という街区の一角にこの公的施設、すなわち雑餉隈町老人憩(いこい)の家は存在している。神社の境内の脇に位置する公民館。その玄関の左手に置かれた小規模な施設がそれであるようで、埋め込まれた札には条例にあるところの"憩"とではなく『雑餉隈町 老人憩いの家』とある。名の由来は、直接には所在地の街区名(雑餉隈町)、更に辿れば、かつてこの地に存在した宿場町『雑餉隈(ざっしょのくま)』にある。名目、社会福祉の一環たる高齢者福祉に資するための施設。背後の公民館の一部ではないのである、と独立した施設としての体裁を一応のところとっている、しかし内部では背後の公民館と一体になっている、とそのようなことを思わせもするであろう外観。左脇はささやかな遊具類が置かれた小公園の入口である。 所在は福岡県大野城市雑餉隈町3丁目3番7号。ほど近く北方に地蔵を安置する地蔵堂山田観音地蔵堂、福岡県指定有形文化財たる仏像を安置する雑餉隈町観音堂、および古井戸の遺構たる史跡筒井の井戸、西方ほど近くに那珂南小学校、南西ほど近くに春日原北第2児童遊園、および豊川稲荷(とよかわいなり)の別院たる神宮寺最勝山東慶院などがある。 |