けしの実児童遊園

2006年11月3日
真新しさを漂わせる宅地群いわゆる新興住宅の数々と、古来を感じさせる町の姿とが混在する様相を呈すそこは、福岡県の内陸部、春日市(かすが-)のほど北部に位置する、小倉(こくら)と呼ばれる街区の内の、中南東の一角である。

この地を東西に貫く福岡早良大野城線(-さららおおのじょう-)、すなわち福岡県道56号。『けしの実』との名を持つ児童遊園は、その一角の北脇のマンションの手前にわずかなる敷地を有する小さな公園である。

その面積およそ222uとわずか。内にあるのは、3つのベンチに2つの小遊具、1つの砂場とささやかな植樹。その名を示す案内板には『けしノ実児童遊園』とある。脇に止むことを知らない車の往来音、その向こうには別の児童遊園がある。

ケシ(芥子)の実、といえば、ある種のパンやケーキ、七味唐辛子などに用いられる食用の種子が得られるもの、あるいは未熟の時点のその乳液から阿片(あへん)が得られる"魅惑の果実"。名の由来は何であろうか。脇のマンションの名は『ガーデンハウス けしノ実』である。これに因むものであろうか。あるいはこのマンションの名称それ自体が、その所在区画またはそれを含む周辺区画の古い小字(こあざ)である可能性も考えられるが、いずれにしてもそうした手掛りは今や見られない。

所在は福岡県春日市小倉1丁目1009番。西方近場に薬師堂、北方近場にケン牛児童遊園および浄土真宗の寺院光照寺、東方近場に春日市商工会館および伯玄社遺跡などがある。


公園|福岡県春日市|紀行道中写真館

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