天理教満連分教会

2007年1月11日
 万葉の古都太宰府市(だざいふ-)の宝満山(ほうまん-)に流れを発して福岡県(ふくおか-)のほど中央部の平野を北へと向かう御笠川(みかさ-)は、その流域にある大野城市(おおのじょう-)に史跡として遺る古の森にその名の由来を持っている。御笠の森である。

 御笠の森は、大野城市域の北部にあたる場所にあり、県都福岡市との境界を間近に据える、山田(やまだ)という街区の一角に位置する。御笠川の流れの西岸にあたる場所に広がり、真宗慶傳寺を菩提寺(ぼだいじ)に、宝満神社(ほうまん-)を氏神(うじがみ)とする、近世より前から『山田村』として長い歴史のある街区である。この山田街区から見た川向こう。ちょうど山田橋御笠の森大橋などの橋梁をわたってしばらくの、この地を南北に貫き通る国道3号とその東方の山とに挟まれた場所に、山裾の傾斜地に形成された、中(なか)という街区がある。

 満連―読みは『まんれん』あるいは『みちれん』、または『みつれん』などのいずれかであろうか。天理教(てんりきょう)の数ある分教会のひとつ『満連分教会』は、その中街区の最も西側にあたる、1丁目の一角に存在している。

 天理教にいう分教会とは、布教をするための施設、すなわち『布教所』とされるものである。その外観は、何らかの宗教施設たることを明らかに思わせるものもあれば、一般的な民家の姿と全く相異のないものもあるが、いずれの場合にも共通するのは門前に掲げられる札。この分教会もまた、民家そのものの外観にありながら、門前に示された『天理教満連分教会』との札が天理教の分教会たることを明らかにしている。

 名の由来は何であろうか。少なくとも今の当地ないしは周囲には『満連』なる地名は存在していない。区画整理のうちに消失した小字(こあざ)の名か、あるいはいずこよりかの移転を経たものか。

 南方真裏は中学校。その付近には宝満神社。西方間近には『光明院』なる寺の廃寺の痕跡。周囲は通称『御陵(ごりょう)』と呼ばれる場所でもある。

所在は福岡県大野城市中1丁目17番15号。最寄の鉄道駅は雑餉隈駅または春日原駅(ともに西日本鉄道)。ほど近く西に御笠の森小学校などがある。


天理教|福岡県大野城市|紀行道中写真館

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